クリッパートン島(クリッパートンとう、フランス語: Île Clipperton、英語: Clipperton Island)は、太平洋のメキシコ沖に浮かぶ絶海の孤島。フランス属領の無人島である。
最初の上陸記録は1521年。1705年に海賊ジョン・クリッパートン(John Clipperton)が上陸し現在の名前になった。
1836年にスペイン海軍が同島を発見したが、特に実効支配を行わなかったため、1858年にフランスがハワイ政府に対し領有を宣言したことにより、フランス領となり現在に至っている。
しかし、スペインより独立したメキシコが領有権を主張したため帰属問題は裁判となり、1931年の判決で正式にフランス領と認定された。これをクリッパートン島事件といい、「主権の表示を残さず離島しても、布告・通告・公布・新聞による公表で領有は成立する」という国際法の慣例の一つとして現在でも知られている。
かつてはフランス領ポリネシアの一部であったが、2007年2月22日からフランス政府の直接統治下に入った。統治権はフランス海外領土省大臣が有している[2]。
2005年には同島周囲の排他的経済水域でフランスの軍艦がメキシコ船を拿捕する事件が発生し、領有権紛争が再燃したが、同水域内でのメキシコ漁船の操業を認めることで一応決着した[3]。
一時期は軍事目的や太平洋を横断する飛行機の中継点として使われたが、現在は定住する人間もいない無人島である。
アマチュア無線では一つの独立した地域とされるので珍重され、時折大規模な移動運用が行われる。